西欧から紹介される美術に習い、日本の洋画の礎を築いた時代がある。
安藤さんも、そこを生きた一人だ。
特にルオー、マチスの研究には余念がなかったようだ。
しかし、他の作家と違うところは、文化の相違をきちっと理解し、自身の精神にあう所まで作品を変化させた所にある、結果、似て非なる芸術が生れた。
“だまって一万点ぐらい描けば少しは絵のことがわかる!”
と、画家でもあった夫人に 言ったと聞く。
それは実践した人のみにわかる世界で、今も決して死語ではない!
カラー刀画
モノクロ刀画
水彩画
油画
水墨画
安藤義夫( 1888 - 1967 )
1888 愛媛県旧北条市(現松山市)生まれ
1902 愛媛県立松山中学校入学
1908 東京美術学校(現東京芸大)西洋学科入学 小林満吾に師事
1911 同校卒業 徳島県立徳島中学校勤務
(教え子に画家井原宇三郎がいる)
1927 画業に専念のため中学校を辞職
朝鮮釜山に渡る。第八回帝展出品、初入選
1943 この頃から水彩をもって油彩の効果を得る「刀画」の技法を考案
1967 京都市の自宅にて逝去
没後主な展覧会
1971 「安藤義茂遺作刀画展」京都市美術館
1980 「安藤義茂展」北九州市立美術館
1989 「刀画の創始者安藤義茂展」愛媛県立美術館
「安藤義茂刀画展」伊丹市立美術館
1995 北条市(現松山市)ふるさと館で常設展示
1988 「第10回油絵個展(遺作展)文藝春秋画廊/東京
2000 「安藤義茂刀画展」愛媛県立美術館分館
資料または文献
1967 「安藤義茂画集『刀画』」安藤百子発行
1968 安藤義茂追悼集『水仙花』 〃