トップページ > 過去の展覧会 > パク・ヒスク&松岡 美子 展

===========================================================================================================================
パク・ヒスク&松岡 美子 展

2012.10.24 (wed) - 11.06(tue) 日曜休廊
11:00-18:00 (3日は開廊,土曜日は17:00まで) 

===========================================================================================================================
 

A tempo, 10x10cm,mixed media,2012

記憶の中に 53x33.3cm oil on canvas 2012


パク・ヒスク Park, Hee-Sook 略歴
弘益大学美術大学院絵画科卒業
個展
ART KARLSRUHE '12,'11,'10,'09,'07 [カルシュルヘ, ドイツ]
ART CHICAGO '11 [シカゴ、アメリカ]
ART GATE GALLERY [ニューヨークー、アメリカ]
パクヨンドクギャラリー [ソウル、韓国]
インサアートセンター [ソウル、韓国]
インサキャーラリー  [ソウル、韓国]
KCAF '09, '07,'06,'04 [ソウル-芸術の殿堂・ハンガラム美術館、韓国]
SOAF [ソウル- COEX、韓国]
SFAS 08 [ソウル-芸術の殿堂・ハンガラム美術館、韓国]
アートフェア及びグループ展
KIAF '12,'10,'07 [ソウル- COEX、韓国]
ART CHICAGO'10 [シカゴ、アメリカ]
音楽と美術との出会い-ヘンデルのメシア [芸術の殿堂・コンサートホール、韓国]
音楽と美術との出会い [A Tempo, 芸術の殿堂・コンサートホール・ハンガラム美術館、韓国]
AHAF '12,'10,'08 [韓国-新羅ホテル・朝鮮ホテル、日本-東京]
ART MISSION 10周年記念展 [インサアートセンター、韓国]
LA ART SHOW [ロサンゼルスコンベンションセンター、アメリカ]
スイス、ハンガリー、オーストラリア、スペイン、ゼネブァ、ポルトガル、北京、香港 等でのアートフェア
評論家が選んだ55人展 [芸術の殿堂・ハンガラム美術館、韓国]
弘益同門展 [韓電アートセンター、国民日報]
清渓川復元記念展 [ソウル市立美術館] など100回以上
受賞
第16回韓国美術作家賞受賞

松岡美子 Matsuoka Yoshiko  略歴
 
兵庫県に生まれる
神戸女子薬科大学卒業 
1998年より二紀展出品

2012 KIAF-Korea International Art Fair (ソウル・韓国) `11 `10 `09
   麗水EXPO展 (ヨス・韓国)
   日韓絵画交流展 (ソンナム・韓国)
   個展 (ギャラリーゴトウ・銀座) `11 `10 `09 `08 `07
2011 個展 (ギャラリー風・大阪) `10
2010 AHAF-Asia Top Gallery Hotel Art Fair (ソウル・韓国)
   神戸アートマルシェ2010 (神戸)
   個展 (A.Jain Marunouchi Gallery・ニューヨーク)
2009 Art Daegu 2009(大邸・韓国)
   全関西美術展 ターナー賞
   個展 (ギャラリー島田・神戸)
   関西二紀展 大阪市長賞
   二紀展・同人推挙
2008 A-21国際美術展 (ドイツ展) `07 (ポーランド展)
2007 二人展 (ギャラリー風・大阪) `04 `02
2006 個展 (すどう美術館・銀座)
2003 第16回名古屋コンテンポラリーアートフェアー(名古屋)
2002 伊豆美術絵画公募展


 物語性や対象の再現性を消し去って純度の高い絵画空間を生み出すために、
抽象絵画の先駆者であるカンディスキーの頭の中には、
最も純粋な芸術として音楽がモデルとしてあったと聞く。
 「A tempo」と題されたパク・ヒスク[PARK HEE-SOOK]の作品シリーズには、
バイオリンやクラリネット、ホルンといった楽器で構成され、
鑑賞者に音楽的イメージと聴覚的な感覚を刺激する。
他方、布のドレープを再現したような作品は古典的なイメージ、
例えば15世紀のレオナルド・ダ・ヴィンチ驚異のデッサン力に裏打ちされた
「受胎告知」の下絵を彷彿させ、かつ布のドレープは1960年代の
ピエロ・マンゾーニの作品[シワがつけられた布に陶器の原料カオリンが塗られた]を
想起させる。しかし、その優雅さはパク・ヒスクの方がまさっているといえよう。
物質性と触覚性を際だたせた表現に、平面でありながら絵画性よりも彫刻的なものを感じる。
どれも声高な表現ではないが、清楚で静かな表現は重低音の中に響く旋律を感じさせてくれるものだ。
 他方、松岡美子の絵画はかたくなに沈黙を守り保つ。
高度に純化された画面は目にはガラスの結晶のように映り、
無音の世界を感じさせると共に、人の耳には聞こえないような
高音域の音も従えているようにも思える。 深遠なる空間を
探る松岡の絵画、そして他者を拒むような清潔さが、
色彩の純度を高めた結果として生まれたものなのだろう。
 このふたりの作品の差異が生み出す「空間」、あるいはぶつかる「場」
に立ち会った時に感じる感覚とはどのようなものなのか。
それは、ハーモニーなのかノイズなのか。
展覧会を観て体験する楽しみは、こんなところにもある。

加藤義夫(キュレーター/美術評論)