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韓国人彫刻家
パク・ヒョジョン
PARK, HYO-JEONG

’13 3/20(水・祝)-30(土)
日曜休廊 Sunday closed
11:00-18:00
(土曜日は17:00まで)

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Works from the J 翡翠、木、ブロンズ 2013


「世界を構成する彫刻」 加藤 義夫 (キュレーター/美術評論)

韓国の名門、ソウルにある梨花女子大学の彫刻学科
大学院を修了し、国内外で活躍する彫刻家パク・ヒョジョン。
私がキュレーターをつとめて、彼女の作品を日本に紹介したのが、2001年。
「アジアの世紀のはじまりに— Korean Art Seoul in Osaka」展である。
ブロンズと木を素材とした彫刻、そのさりげない自然な表現に
韓国美術の伝統と現代を見る思いがした。

 彫刻の素材は、その表現と密接な関係を持ち、とても重要な意味を持つと考えられる。
彼女が好んで使う彫刻の素材に、赤松、ブロンズ(青銅)、銀、ストーンウェア(陶磁器の一種)、
  石、水、植物などがある。それらの素材の構成要素とは。宇宙の万物は、
生々流転・変化しているという自然界の「五行説」水・火・木・金・土で説明できるようだ。

紀元前の古代中国で発想された五行説は、
 現在もなお東アジア地域の文化に大きな影響を与えているといえよう。
韓国の国際展「第2回光州ビエンナーレ1997」のテーマ「地球の余白」でも、
「速度・水」「空間・火」「混成・木」「権力・金」「生成・土」というテーマ展示を企画されていることからもわかる。

 このような世界を構成する根源的な素材を意識して創造されるパク・ヒョジュンの作品世界は、
大地や自然といった地球や宇宙を感じさせるものである。
自然や宇宙との交信と対話によって生まれてくる世界観は、
生命の持つ本来のリズムを私達に教えてくれる。

 今回の新作個展で展示される作品素材として重要な石が翡翠(ヒスイ)である。
翡翠は深い緑の半透明な石で、東アジア圏で古くは不老不死や生命の再生をもたらす宝石として珍重された。
彫刻作品により、この世界の創造主である「神」が生んだ庭園、あるいは理想郷を再生させようと試みるパク・ヒョジュン。

それによって、現代に生きる人々のあらゆる不安や悲しみといった負の感情を癒し取り除きたいと彼女は願っている。



パク・ヒョジョン Park,Hyo Jeong 略歴

1990 梨花女子大学美術 彫塑科卒業
1992 梨花女子大学同大学院卒業

主な個展
2011 ”Spring be used” Dosi Gallery/プサン
”Works from the J” Gallery artlink/ソウル
2010 ”Spring be used” Cho eun sook Gallery /ソウル
”funiture in sculpture” LVS gallery/ソウル
2008 ”The Serene Answer”  Gallery artlink/ソウル
2007 ”時の鱗(うろこ)” ギャラリー風/大阪
”Enchanted Garden 2007” ESPACE GALLERY/パリ

主な賞歴
1997 第6回 韓国美術大展  特 選
1993 第16回 中央美術大展  優秀賞
1992 Dong-Ah 美術大展  特 選
1991 第6回 ソウル現代彫刻公募展  優秀賞
1990 第8回 青年美術大賞展  大 賞